頚椎捻挫は、頭頚部(頭部~頚部)に直接的な外力が加わることなく、体幹に加わった衝撃力によって頚椎が過伸展・過屈曲を強制されるために起こる傷害をいいます。
また、頚椎捻挫ではX線(レントゲン)撮影上、脱臼や骨折が見られません。
頚椎捻挫は、自動車による交通事故(追突事故)の際、頭頚部が鞭のようにしなることから、「むちうち症」という診断名が用いられるようになったと言われています。
頚椎捻挫の場合、筋肉や靭帯、椎間板、関節包などの軟部組織の損傷が中心ですが、頚神経根や脊髄、交感神経などの症状も出現する場合があります。
損傷箇所の違いにより、以下の病型に分類されています。
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頚椎捻挫では、4番目の「脊髄損傷型」のような重篤な症状を呈する場合もあります。特に、交通事故のように大きな力を受けた場合は、しっかりと病院で診察を受けられることを強くオススメします。
頭を支える筋肉は数種類あります、層をなして走行しています。そのうち、深層を走行し、椎弓(背骨のカーブしている部分)に張り付いている「多裂筋」を中心に治療していきます。
多裂筋に形成される硬結(コリ)は、棘突起(背部の中心にある骨で、体表から触れる部分)から約一横指外の縦に連続しています(黄色の線で囲んだ部分です)。
数層に重なった筋に対し、指で細かく押し分け、認知覚という症状の原因部分を検索します。そして、発見した多裂筋の硬結の芯(認知覚が生じた部分)に対して的確に刺鍼していきます。
図のように、体の中でも特に深いところ(骨際)にある筋肉なので、マッサージでは十分な刺激を加えることができません。直接刺激が加えられる鍼による刺激が効果的です。
【表 層】 【中 間 層】 【深 層】