30代、男性、左ハムストリングス(大腿後面)を負傷。
主な症状 つっぱり感、違和感がとれない。
問診
ダッシュとジョギングを交互にしていた。そして、ダッシュをした際に左足の太ももの裏に「ピキッ」という強い痛みが走った。
心配になり、翌日、病院へ行くと「Ⅰ度の肉ばなれ」と診断され、電気治療を受けた。
現在は、歩行できるまで回復するも、つっぱり感・違和感が残存。
視診・触診
内出血はなく、熱感や発赤も特にありません。また、陥凹も見られませんでした。
ベッドにうつ伏せになり、自身の力で膝関節の屈曲を行ってもらったところ、痛みはあるが動作は行えました。
痛みは太ももの内側にあり、触擦をすると、半腱様筋腱から太ももの中央部、特に筋腹で認知覚が強く確認できました。

黄色の円で囲んだエリアに認知覚が強く確認できました。
(左足の図がなかったので、右足で代用しました)
認知覚を中心に、響きを感じられた部分に鍼を集中的に刺していきます。
施術経過
【2回目】
1回目の施術後、試しに一度動いたら痛みがあったが、2回目の治療前に動いてみると痛みが落ち着いていた。
【3回目】
ダッシュをしてみたが、コリのような違和感が残っている。
【5回目】
痛みもなく、順調に運動ができている。
まとめ
肉ばなれは、素早い切り返し動作を行う時に起こりやすく、ダッシュのように、足を前から後ろへ送って地面を蹴り、身体を前へ送るという切り返し動作時によく起こる症状です。
肉ばなれが起こりやすい状況としては、
- 不十分なウォーミングアップ
- 久々の運動
- 疲労が溜まっている
- いつもより調子がいいと感じている
このような時に肉ばなれが起こりやすいです。
特に、運動をするのが「久しぶり」という方は、痛みを我慢して、症状が落ち着くのを待つ、放っておくという方もいらっしゃいます。しかし、肉ばなれのあと、筋肉の一部に何か塊のようなものができてしまいます。この塊により、筋肉が十分な収縮を行えず、持っている力を十分に発揮することができなくなります。これが再受傷のリスクを高めてしまいます。
当治療室では、鍼で痛みを取り除くためのTP鍼治療を行い、患部の痛みを根本的抑えていきます。その回復過程で少しずつリハビリを開始していきます。
リハビリをすることで、早期回復が望め、再受傷のリスクを軽減させることが期待できます。