鍼灸マッサージ治療の基本は、東洋医学です。
経穴(ツボ)や経絡(経穴の通るルート)、そして東洋医学の考え方について、自分の復習もかねて、簡単にまとめてみました。
簡潔に、と言いましたが、現代医学が当たり前となっている私たちには馴染みのない言葉や考え方のため、頭が混乱するかと思います。
※ツボを使った施術は行っていません。
『気』、この言葉を聞いて頭に大きな「?」が浮かび、アレルギーを起こしてしまった鍼灸の学生は多くいると思います。なぜなら、アニメの世界(ドラゴンボール)でしか聞いたことがないからです。
そもそも、西洋医学と東洋医学は、ものさしが違うため、使う言葉も変わってきます。「あ~そういうものなんだな」と聞き流してもらっているうちに、なんとなく、話が見えてくるかと思います。
気=働き
宇宙の生成から生命現象に至るまで、すべて「気」を根底において理解、解釈する考え方
この世の中すべて、「気でできている」というのが東洋医学の基本です。
気が多すぎたり、少なすぎたりすることで、体調に異常をきたすので、それを整えましょう!というのが東洋医学です。
陰陽は「聞いたことある」という方もいらっしゃるかと思いますが、五行とは「なんだ?」と、また聞いたことのない単語が登場してきました。
陰陽五行論=陰陽論+五行説
陰陽論:日が当たるか当たらないかということから発生した考え方
教科書的には、『いっさいの現象は、すべて正と反の2つの面をもっているという考えた』と説明されますが、よくわかりません。
つまり、
世の中のものを2つに分けられますよ
例)+・-、男・女、上・下、暑い・寒い など
陰陽の盛衰・転化の例を四季で表したグラフです。
気温で考えるとわかりやすいかと思います。春から徐々に気温が温かくなり、夏至を迎えて、徐々に気温が下がっていきます。冬至に向かってどんどん気温が下がり、冬至を過ぎると、また気温が上がっていきます。
陰陽は、常に変動し、極まると転化し、反対側へ向かってきます。
これを図にしたものを太極図といいます。
五行とは、古代の中国人が生活に不可欠であった5つの物質「木・火・土・金・水」のこと。これらを応用し、世界の一切の事象をあてはめ、分類分けしました。
木 | 曲直 | 樹木の成長する姿 成長、のびのびした姿 |
火 | 炎上 | 火の温熱、上昇する姿 温熱、上昇の作用 |
土 | 稼穡(かしょく) | 播種、収穫 生化、継承、受納などの作用 |
金 | 従革(変革) | 清潔、粛降、収斂 |
水 | 潤下 | 滋潤、向下性 寒涼、滋潤、下へ事物を運ぶ作用 |
これらの5つの材質は、
水から木が生まれ、木から火が生まれるという相生(母子)関係
そして
水は火を抑えるという相克関係
をそれぞれ持っています。
この5つの特性ごとに季節や色、方角などを分類しています。
陰陽、そして五行の考え方を用いて、症状を分類し、治療方針を決定していきます。
十二支も五行で分類されています。
五臓六腑という言葉の五臓と六腑も東洋医学で用いられる言葉です。
はい。6個ずつあります。六臓六腑で考えられていますが、言葉としては五臓六腑ということが多いです。陰陽で2種に、五行論で5種に分けたのですが、作用の違い、説明のため、6種にしたのだと思います。
こういった部分から、余計に東洋医学に対する混乱が生じているのだと思います。
臓腑、そして臓、奇恒の腑の働きは以下の通りです。
そして東洋医学といえばツボ(経穴)と経絡です。
経絡とは、経脈+絡脈のことで、気血を巡らせ、人体の健全な生理活動を維持する働きがあります。
どういった原因で体調に異常をきたすのか、その原因を3つに大別しています。
外因と内因も五気、五情と5種に分けられ、それぞれが強く影響することで、体調に異常をきたすとみています。
東洋医学では、四診法という方法を用いて証を立て、治療方法を決定しています。
音や匂い、脈の状態、舌や肌の状態を五行から分類していきます。
以上、東洋医学について簡単にまとめてみました。
実際に東洋医学的な治療(経絡治療など)を実践するには、もっと細かな知識や技術が必要になりますが、何が原因で気の流れがおかしくなっているのかを探していきます。
現代医学、西洋医学の考え方が身についているため、なかなか頭に入りにくい部分はありますが、私たちの生活に溶け込んでいる部分もあります。
※当治療室では、解剖学に基づいたTP(トリガーポイント)鍼治療を行っており、経絡治療などの東洋医学的な治療は行っておりません。